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断熱材とは、何か? |
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熱の伝わり方は、大きく分けて3種類あります。
伝導・輻射・対流
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伝導 : 主に固体中での熱の伝わり
輻射 : 物体面から直接赤外線エネルギーとして届く熱の伝わり方
対流 : 気体・液体中で暖まったものが上昇することで熱を伝える |
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輻射熱(赤外線)を考える |
赤外線を吸収する物質は、赤外線を放射しやすい
W=透過+反射+吸収
透過=0の場合は、W=反射+吸収 である
赤外線の放射エネルギーと表面温度は相対関係にある
赤外線エネルギーは、熱エネルギーそのものである
全ての物体は、赤外線を放射する
温度が高い物体は、強く赤外線を放射する |
赤外線エネルギーWの値 |
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黒体放射でなく一般の場合 σ=εσ で考え、
ε:放射率で放射修正の必要がある |
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絶対温度Kは、通常使用する温度に273度をプラスしてもとめます。
真空状態や宇宙空間は、マイナス273℃ではなく温度の無い状態なので誤解をしないで下さい。宇宙服を着て宇宙遊泳が出来るのは、宇宙空間に温度が無いためで、太陽からの赤外線や紫外線を反射すれは、生命を維持できますが、宇宙服を着て北極や南極へ行けば凍え死んでしまいます。 |
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輻射熱(赤外線)の考慮
夏場の輻射熱(赤外線)の考慮
夏場は、建物外部が赤外線を放射しやすい状態(高い温度)にある
したがって、断熱材の外側面に赤外線反射を考慮した反射シート
を施工することが効果的である。
窓から侵入する赤外線のカットも考える必要性がある
冬場の輻射熱(赤外線)の考慮
冬場は、建物外部からの輻射熱は、窓からの太陽光線以外は、
考える必要が無く。逆に太陽からの赤外線は、暖房効率を助ける
働きがある。
建物内部の暖房によって発生した赤外線は、外部へ逃げる為、
断熱材の内側面に赤外線反射を考慮した反射シートを施工する
ことが効果的である。
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輻射熱(赤外線)は、真空状態でも伝わる為、真空複層ガラスや気体を断熱材として利用する通常の断熱材は、意味をなしません。
鏡の様な反射する材料を利用することが望ましい。輻射式や反射式石油ストーブに鏡面が使用されたり魔法瓶の内部に鏡面が使用されているのは、そのためです。
又、赤外線を吸収しやすい材料を使用すると発熱を起こし、そのもの自体が赤外線を放射するため、避けた方がよいでしょう。
建物の外壁部分は、気密シートや透湿シートを使用して内部結露に対する対策が必要な場所ですのでその辺を考慮した使い方や材料選びが必要です。
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熱伝導を考える |
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断熱性能を高める条件は、何か?
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熱の伝わる速度 が遅い程、断熱性能が高い
固体 < 液体 < 気体 の順番に断熱性能がアップする。
固体の中でも金属は、特に熱の伝わりが速い |
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なぜでしょう?
断熱性能に大きく影響するのは、気体です。 |
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金属の分子が隙間無く規則正しく配列している様子。 |
木のコア構造
小部屋が規則正しく並んでいます。 |
押出し発泡系断熱材の拡大
空気の小部屋が並んでいます。 |
それぞれの倍率は、違います |
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真空は、熱を伝えない
熱は、分子間の衝突により発生する。
したがって、無の空間である真空状態では、温度が無い。
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気体(空気等)で断熱をするとどうなるんだろう?
気体は、ある特定の数値以上の広がりがあるとに対流が発生して熱を運んでしまう。
(複層ガラスの空気層の幅を12mm以下にしているのは、この為である)
気体の種類によっても熱の伝わる速さが違う
対流を起こさない為の、小部屋が必要 !!
どういう材質で小部屋を作るかが断熱材選びです。
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断熱材として使用される気体の種類と用途 |
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空 気 |
通常使用する断熱材(グラスウール等) |
乾燥空気 |
複層ガラス、梱包された断熱材 |
アルゴンガス |
複層ガラス |
代替フロンガス |
発泡プラスチック系断熱材 |
グリーンガス(イソブタン) |
発泡プラスチック系断熱材 |
真 空 |
複層ガラス |
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断熱材の種類
無機質繊維系断熱材 |
グラスウール |
ガラスを細かい繊維にし綿状加工した断熱材。密度が高くなるほど断熱性能に優れる。燃焼時ガスの発生がない。耐久性に優れている。 |
ロックウール |
鉱物を高温で溶かし細かい繊維状にした断熱材。650℃以上の熱に耐え有毒ガスの発生がない。撥水性・耐久性があり防音性にも優れている。 |
木質繊維系断熱材 |
セルローズファイバー |
木質繊維を利用した断熱材。繊維中に含まれる気泡により断熱性・防音性に優れる。木質繊維の呼吸による調湿作用がある。 |
インシュレーション
ボード |
木質繊維を板状に成形加工した断熱材。断熱性に優れ高い調湿作用がある。エコマーク認定。 |
発泡プラスチック系断熱材 |
ビーズ法
ポリスチレンフォーム |
一つ一つの粒の中に独立した気泡構造を持った断熱材料。自由な形に成形可能。水・湿気に強い。 |
押出法
ポリスチレンフォーム |
微細な独立気泡で形成された断熱材。外断熱工法に適した断熱材料。断熱効果が高く、水・湿気に強い。自己消火性が有り、燃焼時有毒ガスを発生しない。 |
硬質ウレタンフォーム |
微細な独立気泡で形成された断熱材。断熱効果が非常に高い。現場発泡品もある。可燃性が有り、燃焼時シアンガスを発生。 |
ポリエチレンフォーム |
微細な独立気泡で形成された断熱材。柔軟性に富んでいる為、様々な形状の製品があり、建築用断熱材の他、配管カバー等にも使用。断熱性・耐水性・に優れる。 |
フェノールフォーム |
独立気泡構造を持つ断熱材。素材の安定性が高い為、長期間にわたって断熱性を発揮。130℃まで使用に耐える耐熱性が有る。燃焼時は、炭化するだけで、煙や有毒ガスの発生は殆どない。 |
発泡無機質系断熱材 |
グラスフォーム |
ガラス微粉末にカーボン材を加えて高温で発泡させ焼成徐冷した固形発泡ガラス。アメリカ・ヨーロッパ等で屋根、壁、床等の断熱材として広く使われる。耐熱性(不燃)に優れ、白蟻の食害に強い。耐久性、耐酸性雨。外断熱工法に適した断熱材。 |
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発泡ガスの種類と性質 |